半月夜



その夜は


やけに まっぷたつの月が


ボクを見ていた



他には何も


ボクを見ているものはなかった



空気は いやというほど 透き通っていたから


月の視線が痛かった



少し離れたところから


金星が うかがっていたが
 

彼女のおめあては


いつだって あいつ



帰る途中で


黒白の猫と


ぶつかりそうになった


あわや 


というところで


猫はぶあいそうに


黒い背中を翻して去った


白い腹を大事そうに抱えて



そんな一部始終も


半分の月は見ていた


ボクが


もう半分のありかを


知っているんだろうと


恨めしそうに



ああ そうか


あの


いつも同じところから始まる夢は


半分の月を隠した


あの日の記憶だった



ボクは


とんでもないことを


思い出してしまった





それであいつ


こんなところにまで


ついてくるんだ





秘密は明かせない






ボクは


コーヒーカップの中に先回りしていた


半分の月を


ぐい と 飲み干した
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by cotonon | 2009-11-27 23:04 | こばなし

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